独立して成功できるかは「運」って知ってました?

 何事にも言えることですが、中小企業診断士が独立して成功できるかどうかって、結局最後は「運」って知っていました?
 どんなにすごい経歴や資格を持っていても、また、事前に一生懸命調べても、こればっかりは、やってみないと分かりません。
 
 例えば、独立前の会社でエース級だった人、トップ成績だった人だって、自分でリスクを負わない世界で、会社のリソースや認知(会社の看板)といった支援を受けて成果を出している訳で、独立して一人になって成功できる保証はありません。
 過去に経営コンサル会社の偉い人から聞いた話でも、会社でコンサルタントとして活躍していた人でも独立して成功できたのは僅かという話でした。
 たくさん資格を持っていても同様です。「ふーん、すごいですね」で終わりです。

 じゃあ、事前に、プロコン塾に行ったり、独立している診断士とネットワークを作ったり、副業したりして絶対に失敗しないように準備しよう、と考える人も多いと思います。
 実際は、各人ごとに、やり方も、稼ぎ処も違う訳で、断片的かつ、リップサービスや恣意的な情報は集まりますが、その精度を検証することはできません。そんな情報をもとに独立計画を立てても絵に描いた餅、やはり実際に独立してみないと分かりません。


 副業も、過去に診断士取得後1年で更新に必要な実務従事ポイントを獲得するぐらいに副業で実績を積んだ人がいました。その人は、自信満々で独立して、法人化しホームページやパンフレットも作ってみんなに配ったりしていました。
 その後、2年も持たずに、跡形もなく消えてしまいました。
 副業で仕事があったからといって、独立しても仕事がある訳ではありません。
  
 よく実務補習の指導員などを師匠として、独立後も仕事を振ってくれるような話もありますが、こうした人の縁もいろいろな運が大きく作用することは間違いありません。私みたいに、仕事をくれる親切な先輩に全く出会わない可能性もあるのです。

 どんなに自信満々で、事前に準備をして独立しても、会社を辞めて開業したその日から、大体の人は、まずは、すべてが真っ白、収入ゼロからスタートすることになります。
 頼っていたものが頼りにならないと分かったり、当初の計画と違うことだらけです。
 その状況が、一か月、二か月と続いていったりしたら、家族からは白い目で見られるし、不安で一杯になってしまうでしょう。

 と考えられる限りの、不安を煽る言葉を考えてみました。

 では、中小企業診断士として独立し成功する確率って何%くらいあると思いますか?
「データでみる中小企業診断士2016」調査で、独立している診断士の中で、業務売上1000万を超える人は38%です。本当はこんなにいるはずないと個人的には思っていますが、プロコンの定義を売上1000万と聞くので、成功の定義をそのラインと仮定します。
 ※本当は、年収に関わらず自分で満足していれば、成功だと思います。

独立した人の半分くらいは数年で消えることを考慮すると、独立して成功できる確率は20%くらいと推定できます。

 「独立して成功できる可能性は20%!」と聞いて、がっかりする人が多いのではないでしょうか?
 やっぱり独立するのはやめちゃいますか?

 個人的に不思議に思うのは、日本社会では、「転職や起業が、一か八かやるもの」、一度でも失敗したら、もう人生終わりみたいに考えている人が多いことです。
 年功序列の終身雇用、安定ばかりを求める社会の認知バイアスだと思います。
 
 実は、顧客に価値を提供して報酬をいただくというプロ意識をもって仕事をしてきた人は、別に何歳になっても何度でも転職も起業もできるものなのです。
 私自身が、人材紹介会社を運営しているので、そんな事例はいくらでもあります。
「人の行く裏に道あり花の山」って言うでしょう?

 ただし、大企業など所属のステータスと、終身雇用の安定にこだわらなければの話です。
 起業についても、投資余力の範囲内であれば何回でも挑戦できるのです。貯蓄の少ない人でも、初期投資や固定費の必要ないビジネスを選べばよい話で、コンサル業などは、その代表で初期投資や固定費はほぼ必要ありません。
 
 リスク管理的な話でいうと、例えば、中小企業診断士の試験は、一次二次試験を通して全体の5%くらいしか合格できません。
 中小企業診断士に挑戦し合格した人は、取得を決意し、合理的な勉強法など研究し、工夫して勉強時間を作り出す。予備校や参考書、模擬試験など投資的支出もして、一生懸命勉強するでしょう。
 そして、ストレート合格、一発勝負でダメなら諦めるということはないと思います。何年かかけて合格するのが普通です。つまり、合格=合格率を上げる×挑戦回数 で、いつか必ず合格できるという目論見です。
このサイトを見ている皆さんも、こうやって合格してきていると思います。

リスク管理は、リスク回避、低減、分割、移転、保有といった手法を併せて、リスクをコントロールします。
中小企業診断士に合格してきた人は、工夫して勉強し合格率を上げる(リスク低減)、長期計画で何度も受ける(リスク分割)、勉強時間や予備校等の支出を確保(リスク保有)するというように、無意識にリスク管理の最適化をしているのです。
 そして、合格率5%と聞いて最初から挑戦するのをやめたり、1,2回の受験で諦めるというリスク回避を選択した人を勿体ないと感じるでしょう。

 ところが、転職や独立となると、いろいろ調べてみて「リスクがあるから独立するのは、やめた」とか、「独立初年度から今より少しも収入を落とせません」などと言うのです。
 つまり、先に挙げたリスク管理(回避、低減、分割、移転、保有)の中で、使うのはリスク回避ばかりになってしまいます。

 また、独立しても、挑戦をあまりしないで、何年経っても同じような内容、単価の仕事をしている人がいます。
 そうして、悲嘆して再就職しても、その実績では碌な就職はないでしょう。

 ではどうしたらよいかって?

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