中小企業診断士独学合格体験記

1.中小企業診断士受験のきっかけ

勉強を始めたのは2003年、33歳の時ですが、当時、私は建設コンサルタント会社で働いていました。建設コンサルタントとは、国や自治体などからの委託により社会資本の計画や設計を行う仕事です。

私も技術者として10年間業務を行い、また技術士も取得したこともあり、技術的には自分の中で満足できるレベルになった感がありました。

しかし、当時から公共事業縮減が始まっており、会社の業績は年々低下し、それに伴い収入も減少していきました。

当時、経営改善について提案する機会がありましたが、「君はマネジメントを知らない」の一言で拒否されたこともあり、会社のや自分の将来や、仕事のやりがいといった部分で閉塞感を感じていました。

そして「君はマネジメントを知らない」の一言がきっかけで、マネジメントの勉強をしようと思い立ちました。(今思うとあの一言に感謝です!)

 ただ、マネジメント勉強しているだけでは、だれも耳は傾けてくれませんので、何か証拠になるものが必要です。実績や地位、学位や資格のようなものです。

 その当時、お金もかけずに、一生残るものとすると資格が一番よいと思えたので、ネットで検索すると、「中小企業診断士、経営コンサルタントのための唯一の国家資格!」とありました。

 直感的に、これは自分にぴったりだと思いました。「建設系の技術者で、診断士を持っている人はほとんどいないだろう」「今持っている技術士と中小企業診断士を合わせたら、面白い人生が歩めそうだな」とその程度の感覚です。

そして、中小企業診断士への挑戦が始まりました。

長々と平凡な話を書き連ねましたが、ここを読まれた方も、当時の私のように会社生活に行き詰まり、閉そく感を感じている方は多いと思います。

中小企業診断士は、このような方にピッタリの資格です。

2.中小企業診断士勉強のはじまり

 書店で、TACの1次試験参考書を買ってきました。膨大だなという印象です。

 全部で7科目あり、幅広く知識を身につけられる点は、とても良いと思いました。

1次参考書は、非常にやさしく書いてあるので、思ったよりスムーズに進めそうです。

 ただ、過去問を見て、財務・会計が全く理解できません。

元々、工学部出身の技術系なので経営学の専門知識は、皆無に近かったと思います。

そこで、簿記の勉強を始めました。

まず、簿記3級、その後2級を勉強し、一度、簿記試験を受けてみましたが恥ずかしい話、簿記2級玉砕しました。

 

それよりも、簿記試験を受けに来る人は、1020代が多く、おっさんが混じって恥ずかしかった記憶があります。

 

元々、簿記が目的でないので、試験は今後受けないことにして、2級レベルの知識を深め、その後簿記1級についてはさらっと読みました。簿記1級は相当やらないと合格できなさそうです。

中小企業診断士受験においては、簿記の知識は2級までで対応できます。 

簿記の勉強には、4か月程度かけました。

勉強時間は、月60h×4か月=240h程度です。

勉強場所は図書館です。休日は朝から行って勉強しました。

3.1次試験の勉強開始

次に、1次試験の勉強を開始しました。

今まで、技術系の資格試験経験から、自分の中で勉強法はパターンがありました。

まず、テキストをさらっと読み、次にいきなり問題集を3回転くらい、その後再度テキストを読むというものです。

1次試験の勉強もそのやり方でやりました。

まずは、テキストをさらっと読みました。やさしく書いてあるので1次のテキストなら大体1日100ページくらいは読めると思います。(1ページ35分)

 

 完全に理解するというよりは、こんなことが書いてあるという 程度の読み方です。

 

 今までの技術の勉強と違って1次試験の勉強の楽しいこと、新しい知識に触れることで1日図書館で読んでいても飽きませんでした。ただ30過ぎると記憶力が落ちますね。読んだ端から忘れていく感じです。

その後、問題集を買い集め、ひたすら繰り返しです。

参考書はTACDAIX、マンパ(財務会計)などです。総問題数は合計1,300問位だと思います。

これを3回転やりました。最初にやるときは、150問位しかできませんが、3回転目は、1400問位はできるようになります。

その後、再度テキストを読むと、最初に読んだときとは全く違

い、よく理解できるようになりました。

1次試験勉強はこのサイクルを繰り返すことにより8月の試験までに、8か月程度かけました。

勉強時間は、月60h×8か月=480h程度です。

4.中小企業診断士1次試験合格

中小企業診断士1次試験は、8月初旬の土日に2日かけて行います。会場は早稲田でした。

試験の記憶はあまりありませんが、自分で出来がいまいちの判断で、自己採点もせずに、その後勉強を一休みし、8月は遊びました。

そして9月になって、まさかの「合格通知」が送られてきました。

今から考えると、1次試験に700hもかけていたわけですが、これだけ時間かければ、誰でも合格するのではないでしょうか。

※科目合格制度導入以前です

5.初めての中小企業診断士2次試験(不合格)

準備期間が1カ月しかなかったので、あわてて、参考書を買ってきて、必死に読みました。

模擬試験や作文の訓練はしませんでしたが、結果は当然のごとく不合格でした。

 

 8月から頑張っていればと後悔しきりでしたが、来年は1年勉強して確実に受かるだろうとなめてかかっていました。このときは、今のようなBBABのような成績通知はない時代です。自分のレベルも把握できませんでした。

 

勉強時間は、80hくらいです。

6.2度目の中小企業診断士2次試験(不合格 非効率な勉強がつづく)

中小企業診断士2次試験1度目の失敗のあと、1年先の再試験に対して、モチベーションは続きません、勉強はさぼり気味で、5月くらいからぼちぼち始めました。

勉強法は、2次試験の問題集を買ってきて、ただひたすら読むだけでした。

多分、販売されている2次参考書のほとんどは、読んでいると思います。模擬試験や試験形式で解答してみるようなことはありませんでした。今思うと完全になめてました。

 結果はやはり不合格です。

  勉強時間、5か月×60h=300h

来年また1次試験からやり直しです。

 

7.二度目の中小企業診断士1次試験(合格)

さて3年目、また中小企業診断士1次試験からやり直しです。

中小企業診断士1次試験の勉強は、絶対に合格する前提で2次試験の勉強と並行して行いました。

 1次試験は、試験前2カ月くらいから以前の参考書を引っ張りだして、さらに新たに問題集を買い、3回転ほどやりました。

 2年近いブランクがありましたが、以前700hもかけて勉強していたため、それほど知識を忘れていませんでした。

 試験会場は、千葉商科大学でおこないました。改めて受験生を良く見ると学生風からおじいさんまで1次試験は本当にバラエティに富んでいます。

これが、2次試験になると3050代のサラリーマン風ばかりになるから不思議です。

 試験の後すぐに模擬解答による採点を行い、合格を確信しました。

 

  2度目の中小企業診断士1次試験勉強時間:100h程度

8.3度目の中小企業診断士2次試験(不合格 独学の限界を感じる)

中小企業診断士2次試験の2度目の不合格後しばらくは、地力をつけようとロジカルシンキングや経営本(ドラッカーなど)、財務は証券アナリストの1次試験問題集(証券分析)など、2次試験参考書以外のものを読み漁りました。

 春頃から2次試験勉強を再開しましたが、前回の参考書を読むだけの勉強を改め、実際の試験同様の80分で解答を作成する方式にしました。解法は、マンパ、LECなど各方式がありますが、同友会の参考書にあったフレームワーク方式が一番使いやすく採用しました。

 ただ、模試は受けませんでした。

 

さて、試験です。試験は前年までと違って、生産管理以外は自分ではかなり出来た感がありました。AABAで合格かなという感じです。

その後、ネットで出される再現答案をみると、自分が財務会計の計算問題で、ケアレスミスをしていることを発見しました。

軽めに見積もっても810点はロスしている可能性がありました。

そして結果は、AABBで不合格でした。(この年から成績が通知開始になりました)

 

 これには、がっくりきましたが、敗因は試験慣れしていないこと、自分の答案の採点を受けていないことにあることは明白です。ここに来て独学の限界を感じました。

 

3度目の2次試験の勉強時間 10か月×60h600h

9.4年目の2次試験勉強開始

 もう4年目となると、ほとんどライフワークです。もう、合格するまで受験しようと決めました。いわゆる完全にベテになりました。

 

 某社の通信講座に申し込みました。20万円もかかりました、値段相応に、その後、怒涛のごとくDVDとレジメを送ってきましたが、最初の一枚を見て、後はすべて段ボールに保管しています。 DVD授業というのは自分には向かないようです。

 

※このように厳密には完全独学ではないですが、DVDの最初の1枚しか見ていないので独学とみなしください。

 

独学でやってきた弊害から自分の問題がわかってきました。

まとめると以下の3点になります。

①自分の解答を添削してもらったことがない(マネジメントサイクルが確立していない)

②試験慣れしていない(試験時集中力がかける、ケアレスミスによる失点)

③地力をもっとつける余地がある

10.4年目の対処:その1(模試を受けまくる)

マンパ、TAC、mmc、大原、LEC 、クレアールなど全部で10回受けました。

 

 模試受験回数が増えるたびに、場馴れして、最後まで疲れずに試験を楽しめるようになります。

 余裕ができると今まで見えなかった答えや設問者の意図も見えます。それに、周りの受験生が行う受験テク、マークのしかたなども参考になります。

経営改善においても暗黙知の形式知化などありますが、模擬試験においても2次試験参考書に書かれていない暗黙知のようなものが蓄積されていくことが実感できました。

場数の効果はすごいです。

評価は、各社の解法に準じていないので、最初はあまり良い成績はとれませんでした。

 ただ、後半になるにつれて良い評価もとれるようになってきました。

採点については、結構いい加減なものです。てにをはだけを赤書きしてあるものとかあまり参考になりません。

ひとつお勧めはmmcで、採点結果を30分程度の面談付きで解説してくれます。

私は、面談日の空いている週末の夕方などにして、1時間近くも指導してもらいましたが、これは参考になりました。

模擬試験10回も受けると、10万円くらいはかかります。


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