大学生で中小企業診断士受験を考える人は少ないようです。
大学生の場合、士業資格というと認知度やステータスが高い公認会計士、司法試験などを狙いたがるようです。しかし、これらの超難関資格に挑戦すれば、大学生活を犠牲にして勉強しても在学中の合格は難しい上に、在学中に合格できず、卒業後も、就職せずに勉強した場合、合格できればまだ良いですが、合格できなければ悲惨です。さらに最近は資格者過剰ぎみで合格してからも大変になっています。
そうした難関資格に比べて、中小企業診断士は、大学生が狙うには良い資格だと思います。
理由は、取得のしやすさです。
具体的には
・実務経験等関係なく誰でも受験できる(文学部や理系の人も可能)
・合格までの総勉強時間は2000時間程度、学業やサークル活動、アルバイトなど学生生活と両立しながら合格できる可能性が高い(学生生活がエンジョイできる)
・在学中に合格できなくても、就職後も働きながら取得可能、また、一次試験に合格していれば、大学院でMBAと診断士を同時に取得できるコースもある。
次に大学生が中小企業診断士を取得するメリットとしては、次のものが考えられます。
・就職活動でアピールポイントになる。メーカー系大企業や金融機関、公的支援機関などは有利に働く可能性が高い
・就職後も、配属や職務で機会に恵まれる可能性がある
・経営・マネジメント知識を実践的に身につけることができる(マネジメントの知識はどこでも必要になる)
・就職後も診断士協会など、通常の会社員とは違った人脈がもてる。
また、実務経験のない大学生が診断士を取得しても無駄という意見もあるようですが、私は、早いほどよいと思います。
なぜなら実務経験を積んだ上でマネジメントの勉強をするよりは、マネジメントの基礎知識を持った上で、就職後に実践の場として実務経験を積む方が能力は早く伸び、仕事の成果も大きいものになるからです。
結果として個人の評価も上がり、社内でさらによい機会に恵まれる確率が高まります。こうした良い循環が達成できればキャリアを積みやすいと思います。ただし、継続的に努力できることが前提になります。
また、注意点は、資格を自慢したり、プライドが高くなったり、難解な経営用語を並べたり、理屈っぽくなってしまうことです。社内で生意気な若手として嫌われてしまうと、診断士を持っていることが却って逆効果になる可能性がありますので、気を付けましょう。