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中小企業診断士と転職

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よりよい転職をするために中小企業診断士を取得する人も多いようです。
私は人材ビジネスを行っていることもあり、普通の人よりは転職については詳しいとは思いますので、中小企業診断士の取得が転職に有利になるか考察してみたいと思います。

まず、中小企業診断士の求人、人材需要ですが、一般の求人では、必要資格として中小企業診断士を指定しているものはあまりありません。しかし、他の資格と併記して、保有していると望ましい資格として挙げられているものは見られます。大体が、ITコンサルや銀行とかメーカーなどある程度診断士の知名度がある分野です。
ただし、求人年齢が30代前半くらいまでのところが多いのが現実です。

実際に、中小企業診断士の取得をきっかけに、大手の投資銀行やコンサルタント会社に転職した人は、私の周りでは20代後半の人達です。
30代前半くらいまでであれば、診断士の保有は転職にはかなり有利になると思います。
それ以降の年代ですが、以前は、転職35歳限界説がありましたが、最近は転職市場も高齢化しており、30代後半くらいでも中小企業診断士を持っていれば転職には有利になると思います。

次に40代以上の世代ですが、難関資格や経歴・能力を持っていても大企業(日本企業)への転職は難しいものがあります。
なぜなら、40代以上の年代になると、管理職、マネジメント層に該当してきますが、年功的な価値観の強い日本企業はマネジメント層を外部から採用するようなことを嫌います。年功序列的な会社の管理職は、滅私奉公の功労賞みたいなものです。
誰でも、中途採用者が自分の上司になったら嫌でしょう。また、年上の人間を部下に持つこともあまり好まれません。
そのため、中高年の大企業の人材需要は、あるとすれば、主に特定分野の専門家、役職はついても実際には部下がいない「名ばかり管理職」で、即戦力として部下なしで業務を行うことを求められるような仕事です。

40歳以上の中高年でもマネジメント人材として転職可能性があるのは、外資系企業とかベンチャー企業系の新事業立ち上げマネージャー募集のような求人です。資格より実績が重視されます。
挑戦してみるのも面白いと思いますが、不安定・ハイリスクであり、安定した大企業のサラリーマンが転職するには相当な覚悟が必要だと思います。

次にコンサル会社などへの転職ですが、国内系コンサルタントやシンクタンクなど働いている人の中には、中小企業診断士保有者は結構います。しかし、入社後に自己啓発として取得したケースが多いと思われます。
コンサル業界では診断士を表に出して仕事する訳ではないので、診断士を持っていても社内の評価が上昇する訳ではなく、やはり経験・実績が重視されます。
20代であれば、中小企業診断士を持っていれば、努力や基礎知識の証としてコンサル会社への就職に有利になると思います。