公的支援機関の専門家派遣の仕事は、現場では数時間のお仕事ですが、事前に支援計画書を作成し、下準備し、派遣後は報告書を書かなければなりません。それぞれ、書類作成等は大した作業ではありませんが、それなりに時間がかかってしまいます。1回数万位の報酬を頂けても、時給に換算するとかなり低くなるでしょう。
私の場合、独立3年目位の時は、診断士として忙しい1年を過ごしたつもりでしたが、診断士業での売上が200万以下だったので愕然としたことがあります。私の手際が悪いのかもしれませんが。
さらに、最近の首都圏ではボランティア的な診断士グループが多くなり、報酬1回6000円、極端な例では無報酬!などのケースもあり、非常に厳しくなっています。
また、公的支援機関の業務の支援先は、かなりやる気のない企業が混じっています。
一般に、支払う金額と顧客の効用の期待値は比例するものだと思います。つまり高ければ高品質を期待し、安ければ期待する品質レベルも低いという認識です。
公的支援の専門家派遣は、支援を受ける企業側はほぼ無料なので、企業側からすると期待値も相当低く、やる気のない企業が交じっています。コンサルティングというのは、コンサルタントと顧客の相互作業によってしか推進できませんが顧客側が動いてくれないと何もできません。
さらに「競合企業の情報提供」や、「顧客を紹介してくれ」という支援先が結構多くて、私自身は、公的支援機関の業務の社会的意義に疑問を感じることがあり、最近は公的支援からは遠ざかってしまっています。
ただし、経営者と直接話す機会があるというのは、診断士にとって有用です。
熱心な社長への支援などは、とてもやりがいが感じられることもありますし、また、社長の創業話や、また思いもよらないようなビジネスモデルもあったりして、感心することが多く、大いに刺激を受けました。
中小企業診断士で独立されたら、公的機関の仕事にもチャレンジしてみた方がよいと思います。