中小企業診断士は国家資格ではありますが、独占業務資格ではありません。同じ国家資格でも税理士、公認会計士、社会保険労務士などは独占業務資格であり、特定の業務については有資格者でなければ業務を行うことができません。
また、中小企業診断士は「名称独占資格」とよく言われますが、関連法令(中小企業支援法や中小企業診断士の登録等及び試験に関する規則)を見る限り、名称独占に関する記述は見当たりません。
一般的に独占業務資格のない国家資格はすべて名称独占資格とされているようです。
例えば、名称独占資格である技術士を見ると、技術士法の「名称表示の義務」などにおいて、名称独占を認識させる内容が見られますが、中小企業診断士は、国家資格でありながら士法(中小企業診断士法)が存在しない(不思議な)資格です。
また、中小企業支援法においても、「中小企業診断士」という正式名称ではなく「中小企業の経営診断等の業務に従事する者」という言い方をしているだけです。
よって、中小企業診断士が経営診断業務を行なう場合でも別に診断士であることを名乗る義務もなく、また資格詐称した場合の罰則も不明です。
ちなみに、公的支援機関への専門家登録を行なう場合は、登録番号や資格登録の写しなどを求められるので資格詐称は不可能です。