独立したら予定はなるべく空けておいた方がよい

華僑は、自分自身の予定は、なるべく空けているそうです。
そうすれば、面白い話があれば、すぐ本人と会って直接話し合えますし、商談等でもトップ同士で会えば即断即決することができ、ビジネスチャンスを先取りできるためのようです。

我々日本人は、常に勤勉とか努力とか言われて育ってきたせいか、暇なのは恰好が悪いというか、道徳的にも良くない気もして、とにかくスケジュールをいっぱいに詰め込んでしまいたくなります。
協会の会誌の中に「診断士の一日」的なものがありますが、そこでは、朝から晩まで、スケジュール一杯で、一日に何社も訪問している、という感じの人が多く、そうした毎日が送っている人達は、本当にすごいと思います。

しかし、中小企業診断士で独立して、とにかくスケジュールを埋めることを優先した生活をしていると、発展性は少なくなってしまうのではないでしょうか、多忙な生活を送っていると、チャンスに対するアンテナも低くなり、新たな付加価値を研究する時間もなければ、仮にチャンスが見つかっても全力投入できません。

資本のない個人の中小企業診断士の強みというのは、特定分野、業界等に精通した経営の専門家が時間的余裕と意思決定の早さを武器に活動できることだと思います。
余裕がある状態であれば、常にアンテナを高くして、ビジネスの研究・開発など投資的活動もできますし、体調もモチベーションも万全にできるでしょう。
また、何かよいチャンスを見つけたときは、即断即決で、すぐに全力で取り組むことができます。

よって、発展性のある活動をしようと思えば、予定は空けておく、多少の収益を犠牲にしても、時間的余裕を確保していくことが長期的には利益になると思います。

時間について補足すると、大企業において、一人専従で張り付けて研究開発を行うだけで年間数千万の予算が必要になります。そのため、資本力の乏しいコンサルタント業などのサービス分野においては相当な規模の会社でも純粋な間接部門の研究開発人員というのは、居ないか、居てもごく少数である場合が多いものです。
もし、独立した診断士が、自宅なり図書館なりで本気で1年間、研究開発をすれば、大企業であれば数千万の投資に相当します。
よって、特定分野に精通している診断士が、大企業の手が出せないニッチな分野に注力して研究開発などができれば、競争力のあるコンサルメニューを持てる可能性が高いと思います。

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