中小企業診断士の取得者は、資格名と違ってなぜか大企業の方がほとんどなのですが、独立するならば、これまでのステータスを捨てる覚悟が必要です。
人間は、他人に対して勝る部分を見つけ、優越感を感じようとする傾向があります。
そして、自分の長所をより重視する価値観が形成され、長所をより伸ばそういう意識が働くなど、人生には良い方向に働くことが多いと思います。
他人と比較する項目は、容姿、体力、性格、勤務先、収入額、地位、学歴、資格など多岐に渡ります。
よって、こうしたステータスへの執着は、人間の本質的なものと言えますが、中でも日本社会の場合、「所属組織」がステータスとして最も高く評価されていると思います。
有名企業に勤務している人は、名刺を出すときも大抵少し誇らしげです。親会社の人間は子会社の社員に対して威張っていることが多いです。
資格のステータスは弁護士や公認会計士くらいになれば、ステータスもありますが、一般社会の中で、中小企業診断士のステータスは高いとは言えません。そもそも知らない人も多いのが実際です。
よって、有名企業に勤めていて地位が高かった人、年齢が高いほど、ステータスを失うことを覚悟する必要があります。
実際に、有名企業出身者の方が、独立してからの喪失感も大きく、また、独立に対して家族や親族の賛同を得られにくい傾向にあるようです。
誰もが20代30代を過ごした会社に対する思い入れは深いものがあり、過去の仕事や会社への執着を断つのに2~3年くらいはかかるのが普通だと思います。
独立してみると、「俺は○○社の部長だった」というサラリーマン時代の話ばかりする人、また、過去の会社関係のネットワークに頼っている人が多いことに驚いたものです。
定年退職後の半余暇活動ならそれで良いと思うのですが、50歳以下の年代で、独立を考えている方は、過去の栄光は忘れてゼロから価値を作り出す覚悟を持っていないと後悔することになると思います。
また、顧客への信用を得るために、自己の持つステータスやネットワークは最大限に利用すべきだと思います。
名刺に、出身大学や学位(MBAなど)、元の勤め先、保有資格などすべて書いている人を見たことがあります。
このくらい徹底して自分の中で利用できるものは全部利用するくらいの覚悟の人は、むしろ清々しいし、面白いと思います。
コンサルタントの理想形は、自分自身をブランドにしていくことなのでしょう、私にもそんな日がいつか来ればよいですが(笑)。