個人レベルのコンサルタントというのは、日単価をベースに報酬が決定されている場合が多いので、時間の切り売りのような側面を持っている仕事です。
そのため、収入を維持するために常に動いている必要があります。
また、リスク面を見ると、顧客の事情により、突然仕事がなくなってしまう可能性もあります。さらに、体を壊すと収入が一気にゼロになり、仕事に穴を空けると信用も低下し厳しい状況になってしまいます。
そのため、個人のコンサル業では、コンサル実務で稼働しながら、同時に情報発信や新規顧客開拓を行い、さらに、健康管理にも注意するということを日々続けなくては行けません。
こういう生活は、泳ぎ続けないと生きていけないマグロみたいなもので、余裕がなくて疲れます。
私の場合、調子に乗って仕事を入れすぎた結果、体を壊して仕事に大穴を空けてしまったことがあり、関係先にも迷惑をかけ、また収入もガタ減りとなってしまい、心身ともにも落ち込んだ経験があり、コンサル単体での生活には限界を感じてしまいました。
また、あるコンサルタントの方から聞いた話ですが、コンサルタントで成功するには、仕事を選ぶこと、絶対に成功する人しか顧客にしないのだそうです。絶対に成功する人を顧客にすれば、実際、成功するので、「あのコンサルはすごい」となって、コンサルタントとして、さらに売れていくのだそうです。
しかし、仕事を選ぶようになるには、経済的な余裕がないと難しいと思います。余裕のない切羽詰まった状況で仕事をしている人は、余計、その状況から抜け出しにくくなってしまうと思います。
そのため、別の収入源があると心身ともに余裕が持てるようになります。その一つとして自分でコンサル以外の事業を始めるというのも一つです。
考えてみれば、中小企業診断士というのは、経営についての専門家で、他人の創業支援等をしているのですから、自分自身が主体となって創業し事業を行うことも選択肢からはずさない方がよいと思います。
実例としては、マーケティング調査、経理、システム販売、広告代理店などコンサルに付随して出てくるサービス業が多いと思います。私の場合は、人材ビジネスを行っています。
サービス分野のビジネスは、基本的には、初期投資が少なくて済むものも多いですし、診断士の方は、それぞれの業種業界で経験を積み、人脈もあると思うので、自分の専門領域、精通している分野などでニッチなビジネスチャンスが見つかれば挑戦してみるのも手です。
自分自身で事業を行う収入以外のメリットとして、自分自身が主体となって経営経験を積むことができることが挙げられます。自分が主体というのは、コンサルとしての提案と違って100%自分で決断し即実行できるので、仕事としては楽しいです。ただし、成功しなければ報酬はゼロですが
また、別に事業を行うメリットとして、ビジネスの種類によりますが、経営コンサルタント業よりも顧客企業にアプローチしやすいことが多いと思われます。
私の場合、コンサルとは別の事業を行うことでターゲットとしている業界との接点も増え、情報や人的ネットワークなどが比べ物にならないくらい増大しました。
また、日本は経験主義社会なので、経営経験の無いコンサルタントは信用されにくいと思います。
中小企業診断士自らが経営者でもあることで認知や信用面で、コンサル業へも良い影響があると思います。