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中小企業診断士の収入・年収

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ネットや診断士の資格本などでは、独立している中小企業診断士の平均年収800万円というものをよく見ますが、かなり眉唾な値だと思います。(あくまで一個人の感想です)

年収800万の根拠は、公的機関によるアンケート結果がもとだと思いますが、こうしたアンケートの多くは有効回答率が低く、また、年収の概念、範囲があいまい、ある程度売れていることを前提(業務日数が少ない人を除外)として調べていたりします。

私にもアンケートが来たことありますが、いろいろと細かく記入する必要があり、自身の情報提供するのはかなり心理的抵抗があります。そのため、アンケートは、上手くいっていない診断士の回答率は低いと思います。さらに、士業以外の収入や、見栄が入った回答が混じっていると思います。
※年収は過去の最高によかった時の数字を答える人が多いのではないでしょうか?

実際に独立している診断士同士では年収や単価の話はタブーのようになっていて、あまり聞けません。一方、少数ですが高収入を公言している人もいます。

私などは、以前、低収入や仕事がないことなどネタにしていましたが、自虐ネタは本当に馬鹿にされてしまいます。

独立している中小企業診断士の年収を考察すると、公的支援機関の業務報酬は、一回1~5万位ですが、平均単価3万円の人であれば、年間100日稼働で300万、200日稼働しても600万円です。200日稼働というとかなり忙しい状況になります。

いわゆるプロコンの定義で言われる年収1000万ですが、達成するには、日単価5万円の人で200日稼働、日単価10万円の人が100日稼働してようやく1000万円です。日単価10万円の経営コンサルを年間100日というのは、移動や下準備を含めれば、最低でもその倍(200日)以上は拘束されると思います。
独立していれば、研究や、営業、総務など直接のお金にならない間接部門も全部自分でやらなければならないので、そうした活動等も含めれば相当過酷な生活です。

独立するということは、社会保険は自己負担、退職金なし、来年はどうなるかわからない、病気になれば収入ゼロという状況なので、自己負担やリスクを換算すれば、年収の半分が実感として感じられる収入ではないでしょうか。
中小企業診断士は、大企業に勤めていた人が多いですが、実質収入でサラリーマン時代を超えるのは大変だと思います。

中小企業診断士業は、稼ごうというよりは、仕事自体に、やりがいを感じられる人でないと難しいでしょう。