独立後、呑気に暮らせるようになるために留意すべきこと

一点集中

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 独立して、生活のすべてをキャリアになる仕事や研究、勉強に全力投入すると活動時間は1年間で3000時間くらいは確保できるでしょう。
 中小企業診断士合格までの平均勉強時間は1000時間程度と言われているので、不毛なものを避けるだけで、毎年、診断士合格にかける時間の3倍の時間を「顧客に価値与える能力」を高めるために使うことができます。そう聞いただけでもなんでも出来そうな気がするでしょう。

 さて、年間3000時間の膨大な時間があるからといって、あれも、これも同時にいくつもチャレンジしていくのはよろしくありません。
 戦術の世界では、戦力の分散と逐次投入は一番やってはいけないことです。集中投入による一点突破こそが基本です。
 
 まずは、仮説レベルで結構ですので、いろいろ調べてみて、ご自身の専門領域を決めるべきです。せっかくやるなら、ご自身が一番やりたいことをやりましょう。
 専門領域を決めたら、まずは1年3000時間そこに注力してみるとよいと思います。

 ここから「事業再生」を専門領域と決めた場合でイメージしていきます。
 まずは、事業再生の関連資格を全部取得し、書籍は片っ端から読破し、研究会やセミナーに参加して勉強します。さらに、これまでの業種経験から、様々な事例(失敗例、成功例など)を集め研究し、それを研究会で発表したり、自分で専門サイトを作り情報発信したり、各業種の業界誌に出稿するなどしていくなどアウトプットしていくのです。
 インプットのお勉強だけではだめです。アウトプット前提で勉強することが重要です。

 それと同時に、ちゃんとビジネスとしてやっているコンサルタントや専門会社などにアプローチして、自分の価値を売り込んで事業再生に関わる仕事をいただく、と言った活動をすべきでしょう。
 もし年間3000時間を、事業再生分野に全部投入できれば相当なレベルになれるはずです。

 一年後は知識ばかりで経験の少ない「頭でっかち状態」かもしれませんが、ここまでやる人は、どれほど生意気でも周りも認めざるを得ません。
 なんとか食えるようになっている可能性は高いでしょう。
 少なくとも事業再生という分野の状況は大体見えているでしょう。
 
 そこで、当初仮説がある程度正しく、「これこそは自分のやるべき仕事」と思えればさらに頑張って、3年も経てば一万時間くらいはキャリアを積み、実力、認知度、共に第一人者になっているでしょう。
 他者がなかなか追随できない無形資産を持ったことになり、あとはプロとして呑気に暮らせるでしょう。
 これが一点集中突破と言うやり方です。

分散

 とりあえず仮説を立てて事業再生で1年3000時間注力してみて、上手くいかなかったり、スキームによっては制約が大きくて面倒くさいとか、「ⅮⅮで弁護士やらの下に付くのも嫌だ。」みたいな感じになって「なんか違うな」となってしまうかもしれません。
 また、もっと有望なものが見えてきてしまうかもしれません。
 大体が事業再生と事業承継がセットなケースも多く、「大廃業時代のこれからは事業継承コンサルもやりたいな」となってくるとします。
 それなら、二年目の3000時間は事業承継コンサルタントに投入してしまうという方法もあります。
 最初と同じように関連資格を取得し、研究会、セミナー、あるいは情報発信を続けます。
 仕事は、なるべく事業再生と事業承継をセットの仕事を受けるようにしてキャリアを積んでいきます。
 すると、3年目には事業再生と事業承継の専門家になっているでしょう。
 この段階で専門分野を二つ持ったことになり、こうなれば、まず食えないということはないはずです。
これが、「分散」であり、各個撃破です。

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